中濃地区視聴覚ライブラリー
〈視聴覚ライブラリー〉
 

 ごみ減量作戦 〈内容〉
東京都のごみの状況を紹介。
 東京都は、1年間に478万トン(作品製作当時)のごみが排出されています。東京ドーム14杯分にあたります。24時間焼却炉で燃やしつづけても、8割しか焼却することができず、2割はそのまま埋め立てられています。(東京都の巨大な埋立地の生ごみに、鳥が群がる様子が映し出されます。)

 ごみは、1985年を境に急増しています。
 原因には、
 ・企業のOA化。紙の消費量が高まり、それによって、紙のごみも増加しました。
 ・食品から出る包装容器。魚や肉をのせるプラスチックトレイ、野菜を包むプラスチックの袋などです。(1週間分の食品から出る容器包装のゴミだけで、バケツ1杯分にもなります。)
 ・使い捨て文化が蔓延。使い捨てカメラ、容器、割り箸、ペーパータオル、オムツなど。
 ・頻繁なモデルチェンジ。常に新しいものを追い求める消費者と企業。まだ使えるのに新しいものに買い換えるようになり、粗大ごみも増加。
などが挙げられました。

 再び東京都のごみの状況 
 毎日大量のごみが集積所に出されます。収集業者の人が、「町中にごみをあふれさせないと人の意識は変わらないんじゃないか」と語ります。粗大ごみも10年間で4倍になり、まだ使えそうな自転車、家電製品もごみに出されています。この、ごみを処理する費用は税金でまかなわれており、東京都では、年間一人当たり、2万7千円(作品製作当時)にも及びます。
 清掃工場の入り口には、集積所からごみを集めたパッカー車が、ごみを捨てるために列を連ねています。
 東京都の焼却炉は、頻繁に補修点検が行われています。それは、炉の中に大量の灰がついてしまうからです。ごみが多すぎて、炉の中は、3ヶ月でこの付着物でいっぱいになってしまいます。また、プラスチックごみが増えたことで、炉が早く傷むようになりました。
 
 ここで、紙とプラスチックごみの燃焼時の発熱量を比較。プラスチックは、紙に比べて倍の温度で燃えます。非常に高い温度を発生して燃えるプラスチックごみが増えたことにより、炉が早く傷むようになってしまったのです。
 また、プラスチックの灰を分析してみると、8種類のダイオキシンが検出されました。その中には、一番毒性の強い2,3,7,8-TCDD(ダイオキシン)が含まれていました。そして、このダイオキシンは、埋め立てても毒性が残ります。
 かつては、人間が排出したものを土壌が分解して、土壌が分解したものを栄養として草木や農産物などが育ち、それをまた人間が消費するという循環型の社会でした。
 しかし、このまま有毒なごみを排出し、土壌にもそのままその毒が残り、そこで育った農産物にも毒が入り、また、海水に流れた毒が魚に入り、それを食す人間にもその毒が入ってくる。循環のバランスが崩れ、環境を壊し、人間にも深刻な影響が出てきます。
 それを防ぐには、いかにごみを出さないようにするか、有毒なごみを出さないようにするかが問題です。それには、まず分別回収することです。

 いち早くごみの分別回収を始めた、平塚市を紹介
 分別回収を始めたことにより、新しい焼却施設を導入することができ、それにより灰が減り、埋め立て量も減らすことができました。また、分別回収されたことにより、ビン、缶、紙などが再び生まれ変わることができ、限りある資源をリサイクルしていくことの大切さも紹介しました。
 ごみの増加は、私たちの生活態度と深く関わっており、使い捨て文化からリサイクル文化へ変えていくことの重要性を訴えました。